RoHS指令とは
【EU RoHS指令】
RoHSとは?
電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令
“Directive on the Restriction of the use of certain Hazardous Substance in electrical and electronic equipment” (RoHS)の略
・RoHS(2002/95/EC): 2006年7月発効 通称 RoHS 1 (対象6物質)
・RoHS(2011/65/EU): 2011年7月1日EU官報、2019年7月発効 通称RoHS 2 (4物質追加)
*2019年7月現在、RoHS指令は10物質が規制物質に指定されている。
【目的】
環境に配慮した電気・電子機器の回収、廃棄および、人の健康と環境の保護の貢献を視野に電気・電子機器(EEE)で使用する有害物質の制限に
関する規則。RoHSは有害物質の排除の規制で廃棄物のリサイクルは別途規制有り(EU WEEE指令)。
【対象製品】 電気・電子機器の11カテゴリ 1. 大型家庭用電気製品 2. 小型家庭用電気製品 3. IT及び遠隔通信機器 4. 民生用機器 5. 照明素装置 6. 電動工具 7. 玩具、レジャー、及びスポーツ機器 8. 医療機器 9. 監視・制御機器 10. 自動販売機 11. 上記にない他の電気・電子機器 ※自動車は対象外。 |
【規制物質】 AnnexⅡに示される各物質 *今後も定期的に規制物質は追加、改定。
*フタル酸エステル4物質(2019/7/22以降追加) |
【閾値(最大許容濃度)について】
・濃度計算の考え方 : 最大許容濃度の分母は均質材料と言われるもので、「全体的に一様な組成」で「機械的に分離できる最小単位」。
装置全体や電子部品単位でなく、もっと小さな単位。装置全体を分母とすると過小濃度になる可能性があることに注意。
*参考 均質材料 (homogeneous material) :各種加工の機械的動作でも異なる材料に分離・解体できない最小単位の材料。
【要求事項】
・環境負荷物質の使用禁止 : 電気・電子機器(全11カテゴリ)において、対象環境負荷物質の一定量以上の含有禁止。(交流1000V、直流1500Vを超えないもの)
【注意事項】
・法律本文や各付属書の規制物質(AnnexⅡ)、適用除外(Annex Ⅲ/Ⅳ*)は定期的に追加/見直し。(適用除外は縮小/廃止される場合有)
【適用除外について】
・規制適用が除外される部品・用途を、適用除外リスト(Annex ⅢとⅣ*)で規定
・除外は定期的に見直し⇒ 将来廃止/縮小される場合あり
* 適用除外リストAnnex Ⅲ: 全てのカテゴリー1~11が対象
適用除外リストAnnex Ⅳ: カテゴリー8(医療機器)と9(監視及び制御機器)のみ対象
【適用除外リスト(AnnexⅢ)抜粋】例:鉛
適用除外No. | 項目 | 免除期限* |
6(a)-Ⅰ | 機械加工のために合金成分として鋼材中に含まれる0.35wt%までの鉛、及びバッチ式溶融亜鉛めっき鋼品中に含まれる0.2wt%までの鉛 | 2021/7/21 |
6(b)-Ⅰ | 鉛を帯びたアルミニウムスクラップのリサイクルから派生することを条件として、合金成分として アルミニウムに含まれる0.4wt%までの鉛成分 |
2021/7/21 |
6(b)-Ⅱ | 機械加工目的で0.4wt%までの鉛成分 | 2021/5/18 |
6(c) | 鉛含有量が4wt%までの銅合金 | 2021/7/21 |
*免除期限:カテゴリーにより期限が異なる。
【注記事項】
・DEHP、DBP、BBP、DIBPに関する適用除外は、2019年9月時点では存在しない。
・RoHS指令対象製品をEUに輸入する場合は、当該製品に必ずCEマーク*を付けなければならない。
CEマークとはConformite Europeenne (フランス語略)。EUに上市される製品の中で、ニューアプローチ指令の規制対象製品に対して、共通的に貼り付けが義務付けられている基準適合マーク。 EUのニューアプローチ指令の対象となる全ての規制の必須要求事項(essential requirements) に適合していることを示す。(EU RoHS指令もニューアプローチ指令の対象に入る) CEマークを貼るには、更に適合宣言書(DoC)および技術文書(TD)の作成及び各書類の保管10年が必要。 |